トロントはインフルエンザの予防接種が無料でした
11月初めに、インフルエンザの予防接種を受けに行ってきました。
無料、行政主催、公共図書館で開催、保険証・身分証不要、当日受付有り、といろいろ驚いたのでご紹介します。
- カナダではほとんどの地域でインフルエンザ予防接種が無料
- Flu Vaccination Clinicsの時期と予約のやり方は?
- 当日の流れは?
- それ以外にもあちこちでいつでも無料受けられる
- カナダのインフルエンザ予防接種率は?
- ちなみに…ドイツのインフルエンザの状況は?
- インフルエンザの予防法
カナダではほとんどの地域でインフルエンザ予防接種が無料
カナダではオンタリオ州が2000年に初めてインフルエンザ予防接種を無料化。現在ではほとんどの州で無料になっているとのことです。
今回私が行ったのはトロント市主催の予防接種会(Flu Vaccination Clinics)でしたが、それ以外にも薬局などいろいろな施設で無料で受けられるそうです(後述)。
Flu Vaccination Clinicsの時期と予約のやり方は?
2019年のFlu Vaccination Clinicsは11月のみだったようです。
予約はオンラインからできます。我が家は10月中頃に夫がやってくれました。
- 「地名、flu shot」などで検索。トロントの場合、Flu Shot Clinicsのページが出てきました。
- 希望の日時を選んで予約します。私たちが受けた日は図書館でしたが、ショッピングモールや市民センターなどで開催する日もありました。
- 予約が完了すると、日時と予約番号の書かれたメールが届きます。当日係員に提示を求められますが、印刷しなくてもスマホの画面で大丈夫です。
予約した方が確実ですが、予約していない人の列もスイスイ進んでいました。予定が立たない人は当日受付でも大丈夫だと思います。
当日の流れは?
- 会場で予約確認メールを見せる
- 簡単な問診票を書く
- ブースで予防接種を受ける
- 15分ほど待合室で座って安静に過ごす
列は、予約有りの列と予約無しの当日受付の列の2つに分かれていました。予約有りの方が長蛇の列でしたが、ブースが20以上あり、回転が速かったです。予約無しの人用のブースは1〜2個だけだったように思います。
久しぶりの注射で少し緊張しましたが、看護師さんの手際が良く、今までで一番痛くない、というより痛みが全くなくてびっくり!
他の看護師さんに射ってもらった夫も、全然痛くなかったと言っていたので、今時は針も細くなってるのか…?それかトロント市の精鋭を揃えてくれたのか?
注射の後は15分ほど待合室で座って待つように言われました。その後はお風呂や運動、プールなど何も制限なく過ごしていいとのことでした。
余談ですが、会場の市立図書館(Toronto Reference Library)がものすごくきれいでした。
それ以外にもあちこちでいつでも無料受けられる
Flu Vaccination Clinicsは日程が限られていますが、それ以外にも、いろいろな場所でいつでも無料で予防接種が受けられます。ただし、OHIPカード(オンタリオ州の公的健康保険)の提示が必要です。
年齢によって受けられる施設が異なり、5歳以上であれば薬局でも受けられるそう。日時や場所が限定されないので便利です。
カナダのインフルエンザ予防接種率は?
こんなにしっかり税金投入して充実したサービスを提供しているものの、カナダ全土での接種率は40%弱。オンタリオ州は35%弱だそう。
ちなみに、カナダ政府のサイトによると、患者数は例年約2万3000人、インフルエンザを原因とする推定死者数(肺炎など合併症含む。以下の推定死者数も同様)は3500人とのこと。カナダ全体の人口が3700万人なので、100万人中95人くらい亡くなっています。
日本は推定死者数が例年約1万人とされているので、人口100万人中83人。カナダとあまり変わらないようです。
ちなみに…ドイツのインフルエンザの状況は?
ベルリンに住んでいたとき、ドイツでもインフルエンザが流行っているとニュースで見ていましたが、病院探しも予約も面倒で、予防接種を受けませんでした。どれくらい流行ってたのか気になって、今さらながら過去のデータを調べてみました。
死者数
ロベルト・コッホ研究所(Robert Koch Institut)の統計によると、2012年・2014年・2016年はドイツ国内でそれぞれ2万人以上もインフルエンザが原因で亡くなったと推定されているそう…。
ドイツの人口は8200万人。100万人中250人も亡くなっています。
患者数の増加を知って予防接種希望者が増え、途中でワクチンが足りなくなった年もあったそう。
予防接種の費用
ドイツでは、加入している健康保険によって、予防接種の費用はカバーされたりされなかったりします。ただ、自費負担でも3500円前後で日本とあまり変わらない模様。
ベルリンにいた頃、夫が、「同僚はみんな体力があって、咳込んでても体は元気なもんだから出社してくるし、マスクをする習慣もないし、結局うつってみんな咳してる」とよくブツブツ言っていました。
公共交通機関で口元を押さえずに咳き込んでる人も多かったし、あれじゃ風邪もインフルエンザも蔓延しやすいはず。でも、体力のあるほとんどの人は感染してもたいして辛くないし、予防なんて気にしないんだろうな…。犠牲になったのは体力のない子どもや高齢者が多かったのではないかと思います。
インフルエンザの予防法
最後に、トロント市が推奨しているインフルエンザの予防法を書いておきます。
- 早めに予防接種を受けておく
- 手を頻繁に洗う
- 咳やくしゃみをするときは口を覆う
- おもちゃ、ドアノブ、携帯電話を殺菌消毒する
その他に、以前にどこかで読んでなるほどと思ったのは、以下の2つ。
- 外でドアや手すりをできるだけ手の平や指で触らない。(その代わりに、腕でドアを押し開けたり、手の甲で手すりを支えたりする)
- 手で鼻や目をさわらない(手についた菌が粘膜から感染する)
みなさまこの冬も元気にお過ごしください。