じゃがいもヨーグルト

2016年夫がドイツの会社に転職。2019年転勤のためカナダへ引っ越しました。ほぼ月一更新。

6月に文化の祭典のパレードを見てきました

6月の頭に、カルネバル・デア・クルトゥーレン(Karneval der Kulturen、文化の祭典)のパレードを見てきました。

去年行ったときは「ベルリンの祭りってこんな感じなのか…」と若干引きましたが、今年は楽しめたので書き記したいと思います。

 

このイベントは、聖霊降臨の日という祝日の前後4日間に渡って開催され、100万人以上が訪れる大きなお祭りです。聖霊降臨の日が毎年移動するので、それにあわせて5〜6月のどこかで開催されます。

世界中の食べ物の屋台が並び、音楽の演奏やパフォーマンスが鑑賞できますが、私は去年も今年もパレードだけ見てきました。

 

 

去年は、着いた時間が16時と遅く、イベントも終盤。

パレードの起点に近いヘルマンプラッツ駅から地上に出た瞬間、目に入ったのは一面のゴミ。割れたビール瓶、そして紙皿と残飯。歩くとガラスの破片を蹴ってしまう。

華やかな民族衣装と民族舞踊が見られると聞いていたのに、どうやら見所はすでに終わっていて、黒尽くめの服で重低音ガンガンの演奏をしているバンドが続き、期待と違う。。

パレードの流れに沿って沿道を歩くも、ただでさえ人が多くて歩きづらいのに、下にゴミも落ちてるし、ビール飲み過ぎて倒れてる若者がちらほらいるし。これがベルリンのスタンダードだとしたら、なじめそうにないわ…。

なんて話を語学学校でしたら、行くのが遅すぎだよ、と先生に言われました。

 

 

なので今年はもう少し早い時間から見ようと思い、昼過ぎにパレードのルートの途中、グナイゼナウシュトラーセ駅あたりへ。このエリアの観客は家族連れが多く、落ちついた印象。

f:id:popoyopoyopopo:20170731205353j:plainたまたま最初に見た(と思う)のが日本のお神輿のグループ。

 

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f:id:popoyopoyopopo:20170731210142j:plain様々な国のカラフルな民族衣装の人たち。

f:id:popoyopoyopopo:20170731210305j:plainヨーロッパ式の教会をバックに、他の国の民族衣装や民族音楽を鑑賞するのが見慣れなくて新鮮。

 

見慣れないと言えば、日本のお神輿のグループにいた白人は気にならなかったのに、アジアの他の国やアフリカグループの中に白人がいると違和感を持ってしまって、「私にはこういう偏見があるんだなぁ」と自覚。そして、世界中にこれだけ国や文化がある中で、わざわざ日本に興味を持ってくれる人って奇特な存在なんだな…となんだかありがたくなりました。

 

 

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普段着で歩く、沿道から飛び入り参加したっぽい人々。たぶん気に入ったグループの後ろに勝手について行っているんじゃないかな。出入り自由。

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f:id:popoyopoyopopo:20170731231219j:plain一番人気はインド。飛び入り参加者が100人以上いたと思う。

 

グループごとに大きなトラックが先導していて、

f:id:popoyopoyopopo:20170731233944j:plain飾り付けはだいたい高校の文化祭かなってレベル。

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気合いは入ってるんだけど。ちなみにこれはベルリンのノイケルン地区のグループ。 

 

他にも多様なジャンルのグループが参加。

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ジャズ。

 

f:id:popoyopoyopopo:20170731211538j:plainベルリンの壁を行進させている。何のグループなんだろう。

 

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ビーガン(菜食主義)。暗い顔で陽気なダンスを踊るシュールさ。

 

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f:id:popoyopoyopopo:20170731212505j:plainサンバ(の学校)。ベルリンにサンバの学校なんてあるんだ…。

「学校」なので、当然メンバーは年齢も人種もバラバラで、衣装はおそらく各自手作り。サンバと聞くとラテンアメリカの若い女性のイメージが強くて、白人のおじいちゃんもキラキラした衣装をまとって踊っていた光景が新鮮だった。

 

 

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クルド人のグループ。

 

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パレスチナ人のグループ。近くにいた観客の若い女性が1人、親指を下に向けてブーイングしていた。

 

難民のためのサンバ、というグループもあった。全部で10人にも満たない一番小さなグループで、それで全員だと思わなくて写真は撮りそびれてしまった。おそらくメンバーのほとんどが先生やサポーターで、難民らしき人は2人だけ。1人は中東系の顔立ちの男性で、もう1人はヒジャブをかぶった女性だった。

きっと観客の中には難民に対して批判的な人だっているだろうし、イスラム教徒の彼女の身内には女性が人前で目立つことに批判的な人もいるかもしれないし、こんな人が大勢集まる場で、白人らしきメンバーの中にたった2人で、自分で望んで来たわけではないこの地で、なんでサンバなのか知らないけど、ベルリンで出会ったメンバーと練習したのであろうたどたどしい振り付けを笑顔で踊っているのを見て、なんだかグッときてしまった。

 

 

警備スタッフや警官だらけだったけれど、観客も思い思いに参加して楽しんだり一緒に踊ったりしている光景は、ゆるくて平和だった。

いろいろなグループが参加してこのパレードが開催されていること自体が、平和の祭典なんだなと感じたし、ベルリンが「こうありたい」という姿を示しているように思えた。

 

 

ちなみに、パレードの起点に近づくにつれ混雑度は増していったけれど、今年は去年ほどゴミも酔っぱらいも落ちていなかった。

f:id:popoyopoyopopo:20170801000008j:plain起点そばのヘルマンプラッツ駅周辺のゴミも、パレードが終わった直後にオレンジベストの清掃員とオレンジの道路清掃車が大量にやってきて、あっという間にきれいになっていた。

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