じゃがいもヨーグルト

夫がドイツの会社に就職、夫婦でベルリンに移住しました。ほぼ月一更新。

家の契約について借家人協会に相談しました

今住んでいる部屋は、家主の都合で1年ごとに契約を更新しています。次の更新時期が近づき、新しい契約書が送られてきたのですが、私たちにとって不利な内容が追加されていました。そこで借家人協会に登録して弁護士に相談し、アドバイスをもとに交渉した結果、契約内容が改善されました。

 

 

新しい契約書の問題点

今の部屋には丸2年住んでいますが、来年夏からは家主の家族が住むことになったそうで、1年後には引っ越してほしいと言われました。それはしかたないのですが、私たちに相談もなく、新しい契約書に下記の2点が追加されていました。

 

(1)退去の際、a.壁等のペンキを塗り替え、b.フルリノベーションすること

※実際の契約書ではaとbは別々の条項になっていました。

2年前私たちが入居した時点で、クモの巣が張りホコリがこびりつき、水回りはカルキがびっしり、あちこち水漏れ、照明は壊れかけ、壁にはヒビ、寝室のドアノブはぼっきり折れていて、他にもいろいろボロボロ。それをコツコツ掃除して修理してきれいにしてきたのに、さらにペンキ塗り替えてフルリノベーションしろってひどい。というか全部って何をどこまで?いくらかかるの?ヒィィ。

 

(2)1年間途中解約できない

家主としては、来年家族が住み始める直前までの家賃収入を確実にしておきたいのでしょう。私たちも現時点ではもう1年住むつもりですが、いつ何が起きて引っ越しや帰国をせざるを得なくなるかわかりません。何が起きても1年後まで家賃を支払わなければいけないなんて、あまりに不利な条件です。

 

夫がドイツ人の同僚に相談してみましたが、「まぁよくあることだよ」的な反応。もしかしたらドイツではよくある契約なのかもしれませんが、私たちには到底承服しかねます。

 

借家人協会に登録

契約内容について専門家に相談したかったので、借家人協会に登録することにしました。会費はかかりますが、登録しておくと、借りている部屋に関してトラブルが起きたときに何かと頼れるという話は知人から聞いていました。

 

借家人協会はいくつもありますが、比較検討した結果、Mieterschutzverein(借家人保護協会)という小さな協会に登録することにしました。

決め手は、①家から近い、②レビュー件数は少ないものの評判が良い、③英語で相談できる、の3点でした。

オンラインで会員登録をすませ、メールで相談の日程調整をしました。ウェブサイトはドイツ語だけですが、メール、オフィスでの受付、弁護士との面談はすべて英語で対応してくれました。英語で面談できる弁護士が限られ、先方の都合で2回延期になりましたが、それでも登録してから1週間後には直接相談に乗ってもらうことができました。連絡もマメで安心。

年会費は45ユーロと、大手と比べて半額くらい。

 

当初は、近所にも支部がある大きな協会をいくつか検討していたのですが、どこもかしこもレビューが最悪。それでも英語で相談できるなら、と思っていましたが、英語のウェブサイトはあっても「メールや相談の対応はドイツ語のみ」と書かれていて、候補から外しました。

 

協会の弁護士からのアドバイス

Mieterschutzverein所属の弁護士に、先述の契約内容2点について相談した結果、下記のアドバイスをもらいました。

※私が理解した範囲の内容なので法的根拠について責任は持てません。

 

(1)退去の際、a.壁等のペンキを塗り替え、b.すべてリノベーションすること、という項目について

aとbの両方を一つの契約書に記載することは違法。家主はどちらか一つを選ばないといけない。ただ、bの条項にペンキの塗り替えも含まれているので、家主にaを選択してもらった方が私たち借り手の負担が減る。

 

(2)1年間途中解約できない、という項目について

前回の賃貸契約書の契約期間は1年になっているが、1年に限定する理由が記載されていない。そのため、前回の契約書は自動的に無期限契約の扱いになる。また、ドイツの法律では、2年以上継続して住んでいる場合も、契約期間は自動的に無期限になる。つまり、前の契約期間が過ぎても、法律上は、新しい契約書なしでそのまま住み続けることができる。そして3ヶ月前までの通告でいつでも退去できる。

また法律上、下記のどれかに当てはまる場合、3ヶ月前の通告で家主側からも借り手を追い出すことができる。①家主の家族が住む場合、②部屋を借主が壊した場合、③家賃を滞納した場合。今回は①に当てはまるので、家主は1年後確実に私たちを追い出せる。私たちが長期に居座る心配はない。

結論として、「わざわざ私たちにとって不利な新しい契約書にサインしないで、そのまま住み続ければいい」、というのが弁護士の見解でした。

 

家主との交渉結果

私たちは今の部屋を気に入っていて、何事もなければあと1年ギリギリまで住みたいし、家主との関係性も悪くないので、法律を盾にもめたくはありませんでした。過去の賃貸契約書も知人達に見てもらってきましたが、家主の作成する契約書は、「素人がどこかからコピぺして持ってきたような文章」というコメントを複数人からもらいました。素人故に、家主が実際に意図していることに対して契約内容が重いというか、悪気はないけど私たちに不利になりすぎている気はしていました。

 

そこで、追加された項目に関して家主の具体的な意図や懸念を聞き、新しい契約書は交わすことにしました。ただし、弁護士からのアドバイスを伝えつつ、こちらも譲歩し、契約内容を下記の通り変更してもらいました。

 

(1)退去の際、a.壁等のペンキを塗り替え、b.すべてリノベーションする

→退去時に壁等のペンキを塗り替える

「リノベーション」とは具体的に何をしてほしいのか聞いたところ、「ペンキの塗り替え」だったので、bの条項は削除してもらいました。以前の契約が法律上有効なことを押し通せば本当はペンキの塗り替えすらしなくていいのですが、家賃も安かったし家主へのお礼代わりと考えてaは譲歩しました。

 

(2)1年間途中解約できない

→契約期間は最長1年、3ヶ月前の事前通知で途中解約できる

期間について契約書に記載する必要はなかったのですが、素人同志、ハッキリ書いてある方が安心だろうと思い、盛り込みました。

 

そんなこんなで落とし所が見つかり、借家人協会に相談して本当に良かったです。

ここまで、さも自分が何かやったかのように書いていますが、交渉はすべて我が夫様がやってくださいました。私は隣で見てただけ。夫ありがとー!!

 

 

Mieterschutzverein e.V.

住所:Leibnizstr. 17 10625 Berlin-Charlottenburg

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